永井荷風の「西遊日記抄」は、西暦千九百三年すなわち日露開戦の前年に始まる。明治三十六年、つまり子規が亡くなった翌年だ。よく似た名の「西遊記」は、高僧が天竺にお経を求め、苦難の長旅をする物語だが、荷風は本当に遊んでいた感じがする。もっとも最…
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