夏目漱石は、正岡子規の親友であったにもかかわらず、「坂の上の雲」にはあまり登場しない。ロンドン時代に子規とやり取りした手紙を読むと、このプライドの固まりのような青年二人が、弱みを見せ得る数少ない相手同士であったことがよくわかる。それに、漱…
漱石の「吾輩は猫である」が世に出たのは、1905年とのことなので、つまり日露戦争が終わる年だ。子規はもういない。漱石と子規という自尊心の固まりのような二人は、お互い心を許し合う友人となったが、片方は間もなく寝たきりになり、もう片方は転勤に留学…
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