正岡子規と「坂の上の雲」の感想文

寺本匡俊 1960年生 東京在住

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

時雨傘  (第63回)

こちらのブログは、近ごろ筆が鈍っている。その責任は内閣総理大臣にある。世の中が一気にキナ臭くなった。私は国防も自衛隊も大切に思うが、この状況下で延々と戦争場面の感想文ばかり書いていると、これでも客商売だから、あらぬ風評被害に遭っては困る。…

春や昔  (第62回)

ずっと戦争のことばかり書いていたので何だか疲れてきた。おまけに実世界もキナ臭くなってきて、別のブログでも怒り心頭に発し、どうやら神経がささくれ立っているらしい。ということで暫く子規や文学のことを話題にしようかと思う。今回のタイトルは、もち…

まだ沈まずや定遠は  (第61回)

小松左京の金字塔的名作SF小説、「日本沈没」の終盤。沈みゆく列島から離脱する船の上で、主要登場人物の一人、中田が「まだ沈まずや定遠は」と口ずさむ場面がある。これを初めて読んだのは中学の一年生か二年生のころで、全く意味が分からず読み飛ばした。…