正岡子規と「坂の上の雲」の感想文

寺本匡俊 1960年生 東京在住

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

一騎当千  (第39回)

折角の三連休なのに風邪をひきました。しかし話題は引き続き雪国です。これまで桑名や松山、青森や八甲田などの地名を出してきたが、今回は白河と弘前。これらには共通点がある。いずれも短期間だが、私が行ったことがある場所なのです。 白河は去年、関の跡…

啄木と老将軍  (第38回)

小説「坂の上の雲」を読み始めると、最初に出てくる人名は正岡子規である。例の十五万石の句が松山の紹介に使われている。子規にはトップ・バッターの資格がある。彼がいなければ、この小説は書かれなかったはずだ。では二番目の名は誰のものか? 秋山兄弟を…

遭難後  (第37回)

前回の続き。遭難の経緯や事故の詳細は、新田次郎の小説「八甲田山 死の彷徨」と、前回に紹介した丸山泰明「凍える帝国」を是非お読みいただきたい。新田さんは元気象庁の技官で、登山家でもあったから本作品には現実味と迫力がある。ここでは遭難の詳細を論…

八甲田  (第36回)

数年前に何かのセミナーか研修の場で、隣席の人と自己紹介がてら雑談を交わしたことがある。引き締まった顔つきの少し年下の男であった。彼は旭川の出身ですと言った。私は大学卒業直後の旅行で北海道に行ったときのことを思い出した。 2月中旬で寒かった。…

桑名にいたころ  (第35回)

しばらくお休みしておりました。仕事関連の事情です。少しずつ再開するにあたり、これまで海軍と子規の話題が大半だったが、しばらく陸軍のことを書こうと思う。中心となるのは、前にも好きな場面だと記した覚えがあるが、烈風朔雪吹きすさぶ黒溝台の会戦で…