正岡子規と「坂の上の雲」の感想文

寺本匡俊 1960年生 東京在住

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

病床の食欲と体調  (第68回)

何だか真面目なタイトルだが、子規の「仰臥漫録」における食欲と体調は、尋常のものではない。約一年後に亡くなる重病人の食欲としては、子規について書く人が皆、好んで取り上げるように旺盛なもので、同年代のころの普通に働いていた私より多分たくさん食…

明治三十四年九月  (第67回)

正岡子規の日記「仰臥漫録」は、明治34年の9月に書き始められている。最後に入っている日付は翌年の7月で、その翌々月に他界している。なぜ、これを書き始めたのか、私の知る限り彼は理由を明らかにしていない。題名の通り、容態が寝たきりになったことは明…