正岡子規と「坂の上の雲」の感想文

寺本匡俊 1960年生 東京在住

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

戦い済んで日が暮れて  (第47回)

明治天皇は和歌の達人であられたらしい。私は和歌も俳句も不得手で、子規の著作も随筆ばかり読んでいる。ところで、半藤一利氏に「御製でたどる明治天皇の日露戦争」という短いが読み応えのあるエッセイがある。 いつか引用した「おのづから仇のこころもなび…

忠魂碑  (第46回)

以前に小欄で「雨の坂」を話題にしたとき、秋山真之が根岸の子規庵から、亡き友が眠る田端の大龍寺まで、どの道を辿っただろうかという勝手な想像をした。そのときの候補の一つが、上野の双ヶ岡から道灌山を抜けて稜線を進む道である。その高台は山手線や京…

おらの国の大将  (第45回)

あともう少し、今東光による山縣礼賛にお付き合いください。「毒舌日本史」の門下生有朋の逸話のすぐあとに、今和尚はこう書いている。「何しろ明治十年の西南戦争のときの陸軍では大将がたった西郷隆盛一人。中将がこの山縣有朋と篠原国幹。少将が桐野利秋…