正岡子規と「坂の上の雲」の感想文

寺本匡俊 1960年生 東京在住

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

English Gentleman  (第173回)

手元にイアン・ハミルトン著「思ひ出の日露戦争」(雄山閣)という本がある。これを読んでみたいなと思ったきっかけは、「坂の上の雲」文庫本第八巻にある最後の章、「雨の坂」に出てくる敗将ロジェストウェンスキーの描写に関連して、いわば唐突に出てくる…

「旅順入城式」  (第172回)

掲題の「旅順入城式」は、内田百輭の短編小説であり、また、本作を含む短編集(岩波書店)の名でもある。1934年に出版された。東郷平八郎元帥が亡くなった年だ。ときどき仕事で市ヶ谷や麹町に行くのだが、先日、昼休みに東郷元帥記念公園まで散歩しました。…

厩の人影  (第171回)

米国人の従軍記者、スタンレー・ウォシュバンの名は、「坂の上の雲」文庫本第五巻の「二〇三高地」に出てくる。その箇所に、一戸兵衛が語ったウォシュバンの思い出話が収録されている。その文章は、私の手元にあるS・ウォシュバン著「乃木大将と日本人」(講…